小姑に皮肉を言われて同居嫁がストレスを抱えるケースは世の中に少なくない。
でも、この問題でキーマンとなるのはやっぱり旦那ではないか?と思うのだ。そんなことを思うキッカケとなったのはこんなエピソードだった。その日、旦那と姑が言い争いをする声が聞こえてきた。同居嫁って、旦那と姑の口論にとっても敏感でいつもアンテナを張っている。つまり、姑からではなく旦那から自分はどう思われているのか?を無意識に気にしているんだろうと思う。同時に、ストレスだったり不安だったりする気持を、唯一、味方だと認識している旦那の言動に依存している証でもあると思うのだ。
二人の言い争いを耳をダンボにして聞いていた私。
そもそも・・・・・・事の始まりは嫁とは関係なく、姑がまたいつもの調子でダンナの気に障るようなこと、を気にさわる言い方で放った為だった。もっとも口論の発端は済んだことに関することだったが、両者がそれを蒸し返す形で言い争う始末。
ともかく‥人間ってすんだことを蒸し返すのが好きな生き物だ、と、それはさておき‥
旦那『昼飯のことだってそうだろ?家事の分担にしても、母さんの分は完璧にしなくてもいいってことだったじゃないか?それを変な言い方で喋り回るから――たちが(=小姑)たちが「それじゃ、お母さんが可哀想だ」とか「お母さんだけのけ者にしてる」とか言い出すんじゃないか!』
姑「アタシは何もそんな言い方してないじゃないか!」
旦那「あいつら(義姉妹複数)に、アタシは昼の支度もさせられてるとか言ったんじゃん。だから俺があいつらに説明しておいたんだぞ。昼飯を作るのが嫌なら話し合いの時に言えばよかったじゃん?」
姑「別に嫌じゃない。ただ人が来てひとりで食べてるのを見られたら何て言われるか?」
旦那「人に見られたらって・・・・・・お昼に家に来るような人なんて一年にひとりいるか?だろ?だいち、家族の実情を把握していない小姑連中に誤解を生むような言い方をしてるのは事実だろう?」
とまあ、つまりお昼ご飯の支度を同居嫁がしていない日があって、その日その時間にたまたま小姑連中が遊びに来てしまった。その光景を見た小姑たちは同居嫁が怠けているからお母さんがかわいそうねえーなんて皮肉を込めた強い目線と少しの言葉を私に放ったのだった。そうは言っても、私には小姑たちの心意はグサリと刺さるものだ。
連中のコラボによる嫁批判を知った旦那が、コレは放っておけぬと男気を見せてくれたというわけ。いつもいつも自分の都合の良いように事実を書き換えるような態度と言い方をする姑。被害者は自分、ガマンしている我慢させられているのは自分、そういう虚像を小姑たちにアピールすることで自尊心が維持できるなんてもの悲しい話だけれど、姑ってそんなもの。そして姑に共感する小姑ってそんなもの・・・・・・。
お母さんを大事にしないと文句を言ってくる小姑連中と、都度、説明して誤解を解かなくてはいけない旦那。
でも…ダンナのキレっぷりのおかげで、今のところは義姉妹たちが理解してくれているのが救いだ。ダンナは言う・・・
「あいつらバカヤロー、結婚前はしょっちゅう親と喧嘩してたくせに、離れて暮らすようになったとたんに大事にしてないだの何だのとうるさく言うようになりやがって!」あーなんて頼りになる旦那だろう、同居嫁のストレスは旦那によって救われるのだ。嫁と姑の確執めいたものを無関心と傍観者で徹しようとする旦那だったらとうの昔に離婚を考えていたはずだが・・・・・・、姑と小姑たちがコラボする嫁いびりに対峙してくれるなんて思いの外、見直してしまった。
結婚すると人間関係が倍に増えるって誰かが言ってたけど、本当にそうだ。とくに義実家に同居なんてしてしまえば倍を超えて倍々の人間関係にもまれることになる。明るい関係になれたらいいけれど、どこかでこじれれば連鎖的に複数の敵を生んでしまうから人間関係ってこわい。姑と小姑のタッグって最強だ。
ひとつ覚えておきたいのは、同居嫁は土台弱い立場だということ。とかく、姑小姑たちの非難の対象になりやすい。かと言って、自分ひとりで応戦しても勝算が低いのが世の常だろう。ただし‥旦那の立ち位置と考え方ひとつで同居嫁が報われることは大いにある。